2008年02月15日

多くの人びとに刺激を与え続けるバッハの作品

ヘンデルやテレマンを含めた多くの作曲家は、作曲するにあたって、曲の大まかな形を記すにとどめ、演奏家はそれに複雑な装飾を加えるなどして演奏していたそうです。しかしバッハは、比較的細部まで楽譜に記した点で特徴的と言えます。

彼の遺した作品とそこに用いられた技法は、いわば西洋音楽のエッセンスを凝縮したものと言うことができるでしょう。

現代においてもなお新鮮さを失うことなく、ポップスやジャズに至るまで、あらゆる分野の音楽に応用され、多くの人びとに刺激を与え続けています。

例えば、『トッカータとフーガ』、原曲はオルガンですが、いろんな分野の演奏家が挑戦しています。
レオポルド・ストコフスキー編曲、チェコフィルハーモニー管弦楽団。ジャズピアニストのジャック・ルーシェの「プレイバッハ」。シンセサイザーでウェンディ・カルロスの「スイッチト・オン・バッハ」。そして、琴のみやざきみえこ。

みやざきみえこの琴とEDISONの尺八はとても新鮮で良かったですね♪
このように、編曲、楽器、指揮者、演奏者によって、新たな輝きを見せるバッハの奥深さ、幅の広さ、素晴らしさを実感するものでした。

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2008年02月08日

バロック音楽は「通奏低音の時代」

さて、バロック音楽において行われる演奏形態の一つ、通奏低音(つうそうていおん)とはどういうものだったのでしょう。

通奏低音とは、低音部の旋律とともに、即興的な和音を付け加えて演奏する形態のこと。
イタリア語のバッソ・コンティヌオ(Basso continuo)の訳語で、伴奏楽器が間断なく演奏し続けるということからこの名があるそうです。

楽譜には低音部の旋律だけが示され、旋律楽器は楽譜通り演奏しますが、和音楽器では楽譜を見ながら和音を即興的に付けて演奏します。

この和声化の作業をリアライズといい、奏者の力量が問われます。奏者の裁量に委ねられる部分の大きいこうした演奏は、必然、即興性の強いものとなります。

このリアライズの作業のために、楽譜の音符の上または下に和音を示す数字を付けることも行われ、この数字の付いた楽譜のことを数字付き低音といいます。

通奏低音の語がこの数字付き低音のことを指すことも多い。現代ではリアライズを楽譜に書き起こしたものも多く市販されています。

通例、チェロ、コントラバス(またはヴィオローネ)、ファゴット、ヴィオラ・ダ・ガンバなどの低音旋律楽器に加えて、チェンバロ、オルガン(主にポジティフ・オルガン)などの鍵盤楽器や、リュート(テオルボ)、ハープなどの撥弦楽器といった和音の出せる楽器によって演奏されます。

このような通奏低音という形態は、バロック音楽の根幹をなす要素であり、バロック音楽を指して「通奏低音の時代」と称することがあります。また、ポピュラー音楽における「コード」の概念にも通じる原理があります。

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2008年02月06日

勤勉かつ勉強熱心、幅広い音楽を吸収したバッハ

バッハは幅広いジャンルにわたって作曲を行い、オペラ以外のあらゆる曲種を手がけました。

その作風は、通奏低音を基礎とした和声法を用いつつも、根本的には対位法的な音楽であり、当時までに存在した音楽語法を集大成し、さらにそれを極限まで洗練進化させたもの。

従って、バロック時代以前に主流であった対位法的なポリフォニー音楽と古典派時代以降主流となった和声的なホモフォニー音楽という2つの音楽スタイルにまたがり、結果的には音楽史上の大きな分水嶺のような存在となっています。

バッハはドイツを離れたことこそありませんでしたが、大変に勤勉かつ勉強熱心で、幅広い音楽を吸収しました。

ダングルベール、リュリ、クープランなどのフランス音楽からは細部の語法や優美さ、フレスコバルディ、コレッリ、ヴィヴァルディなどのイタリア音楽からは明朗な旋律やくっきりした形式感、南ドイツの音楽(フローベルガーやパッヘルベル)に見られる暖かな叙情性、北ドイツの音楽(スウェーリンク、ヴェックマン、ブクステフーデなど)からは深い幻想性や重厚な和声感、さらにはイギリス音楽の代表者パーセルやパレストリーナに代表される「古様式」までもを研究したそうです。

そういった様々な要素をバッハは完全に消化して、彼自身の個性に満ち溢れた偉大な音楽を創りあげたのでした。

とりわけ、古典派のソナタにも比すべき論理性と音楽性を持つフーガの巨匠として名高い「バッハ」。正に偉大ですね!

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2008年02月01日

バッハの平均律って、一体何でしょう?

心を落ち着けるためにバッハの平均律をしばしば好んで弾いたというショパンですが、そのバッハの平均律って、一体何でしょう?

それは、平均律クラヴィーア曲集 (Das wohltemperierte Klavier 独)(全2巻、第1巻 BWV846‐BWV869、第2巻 BWV870‐BWV893)のことで、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの鍵盤作品を代表する曲集です。

古ドイツ語の原題Das wohltemperierte Clavier は、鍵盤楽器(=クラヴィーア)のための長短24調による48の前奏曲とフーガ。

この"Clavier"(クラヴィーア)とはドイツ語で「鍵盤楽器」という意味で、一般にはピアノを意味します。
ただし、バッハの時代にはまだピアノは普及しておらず、当時はチェンバロ、クラヴィコード、ときとしてオルガンも含めた「鍵盤楽器全般」を意味したそうです。

ベートーヴェンのソナタがピアノの新約聖書と称されるのに対し、このバッハの平均律クラヴィーア曲集はピアノの旧約聖書と称されます。音楽史上もっとも重要な作品群ということです。

原題の"Wohltemperiert(e)"は一般に「平均律」と訳されていますが、正しくは「程よく調律された」という意味。
バッハが当時意図した調律法はヴェルクマイスター(シャープやフラットが4個以下の調ではミーントーンに、シャープやフラットが5個以上の調では純五度でピタゴラス音律に近くなる)であったと推測されています。

バッハ以前にも何人かの作曲家が多くの長短調を駆使した作曲を試みていて、中でもヨハン・カスパール・フェルディナント・フィッシャーの「アリアドネ・ムジカ」は、20の調による前奏曲とフーガを含んでおり、バッハがこれを参考にしたとの説もあるそうです。

ショパンの「24の前奏曲」や、ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」は、このバッハの曲集に触発されたものだとのこと。

1977年、グレン・グールド演奏による同曲の録音が、人類を代表する文化的作品として、ボイジャーのゴールデンレコードにいれられて宇宙にうちあげられたというのもまた面白いですね♪

この2機のボイジャー探査機に搭載されたレコードには、東洋や西洋のクラシックを含む様々な文化の音楽が選ばれ、90分間の電子データに収められたそうです。中には日本の尺八もありました。

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2008年01月31日

「近代音楽の父」偉大なる大バッハ

ショパンに影響を及ぼしたというバッハとモーツァルト。
まずは、バッハを見ていきましょう。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハは、18世紀に活動したドイツの作曲家。「近代音楽の父」と称される巨匠です。

一般に「バッハ」といえば彼を指すのですが、バッハ家一族は音楽家
だったので、その他のバッハと区別するために通常J.S.バッハと表記されます。また古くからバッハ家でもっとも偉大であるという意味で大バッハと呼ばれることもあります。

バッハ一族は、ドイツ中部テューリンゲン地方で代々音楽を生業とした大一族だったんですね。2世紀半の間に約60人の音楽家を輩出し、遺伝学の研究対象とされたこともあるそうです。

ただし、当時はまだ貴族の子は貴族、農民の子は農民、というように身分が固定されており、職業音楽家の家系は職業音楽家以外の選択肢があまりなかった、という事情もあったようです。

現在のクラシック音楽の一流演奏家は、名声とそれに見合うような収入を得るいわゆる名士ですが、彼の時代の音楽家はむしろ十把ひとからげで扱われる楽器担当の召使いのような存在だったそうです。

それにしても、2世紀半の間に約60人の音楽家を輩出というのはものすごいですね。私も音楽家の一族の中に生まれていたら人生違ったかなあ…なんて思いながら、偉大なるバッハの偉大なる音楽に耳を傾ける毎日です。

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2008年01月29日

バッハの平均律を好んで弾いたショパン

ショパンは同年代に同じくパリで活躍した大ピアニストであったリストとは違い、大ホールでの演奏をほとんど行わなかったそうです。

貴族の婦人が主催するサロンでの演奏や、貴族の子弟へのピアノ教授が生きてゆくために必要で、なおかつ心落ち着ける居場所だったようです。

ピアノの技術革新の時代に生きたショパンは新しい演奏技術の開拓に果敢に挑み、自身の練習の意味も込めて「練習曲集」(「3つの新練習曲」を除く12曲)を2つ編んでいます。

一方で古典の作曲家への敬意は強く、特にバッハとモーツァルトは彼の作品に影響を及ぼしました。
例えば「前奏曲集」(24曲)は5度循環で24の全長短調を経る小品集ですが、これは明らかにバッハの「平均律クラヴィーア曲集・24の前奏曲とフーガ」を意識したもの。

偉大なバッハと天才モーツワルトがピアノの詩人ショパンに影響を与え、また、ショパンが心を落ち着けるためにバッハの平均律をしばしば好んで弾いたという話はとても興味深いものです。

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2008年01月26日

ピアノの詩人 ショパン

フレデリック・フランソワ・ショパン はポーランドの音楽家。
ワルシャワ近郊のジェラゾワ・ウォラでフランス人の父とポーランド人の母のもとに生まれました。

様々な形式、美しい旋律、半音階的和声法などによってピアノの表現様式を拡大し、それまでなかったピアノ音楽の新しい地平を切り開いた偉大な作曲家の一人。

ショパンは生涯を通じて肺結核に悩まされた病弱の芸術家だということですが、肺結核ではなく、他の疾患(たとえば遺伝病の一種嚢胞性線維症など)ではないかとする説もあるそうです。

とくかく、39歳という若さで亡くなるのは早過ぎますね。
しかし、4歳でピアノをならいはじめ、8歳のとき最初の公開演奏会が開かれたといいますから、濃縮した一生だったと言えるかもしれません。作曲の面でも早熟の才をみせ、7歳ですでにポロネーズを作曲し出版しているそうです。

ショパンは美男子であったらしく、様々な女性との愛の遍歴も伝説も交えて多々語られることがあります。実際彼の場合は、愛情が作曲へと昇華する典型例とも見られるということで、中でも女流文学家ジョルジュ・サンドとの9年におよぶ交際、劇的な破局の間に「24の前奏曲集」、「幻想曲」、「バラード第4番」、「英雄ポロネーズ」、「舟歌」、「幻想ポロネーズ」等数多くの傑作が生まれました。

その作曲のほとんどをピアノ独奏曲が占め、またそれまでの作曲家に見られない、憂愁を帯びた繊細且つ激越な音の使用でピアノの詩人とも呼ばれ、前期ロマン派音楽を代表する作曲家です。

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2008年01月25日

ノクターンの代名詞!ショパン ノクターン 作品9-2

【ノクターン 作品9-2 変ホ長調】は、映画『愛情物語』に使われた有名な旋律。ピアノ演奏はカーメン・キャバレロでした。

いわゆる通俗名曲として専門家によっては評価が低いそうですが、生前ショパン自身はこの曲に愛着を感じていたともいわれます。
ロベルト・シューマンの妻クララがショパンの曲を演奏した折、彼はお返しにこのノクターンを弾いたというエピソードが伝えられています。

ショパンは21曲のノクターンを作りましたが、この第2番は、一番有名な作品でしょう。他の作曲家のあらゆるノクターン作品のなかでも群を抜いており、ノクターンの代名詞のような存在感があります。

ゆったりしたワルツ風で、甘い旋律が優雅なパリのサロンを連想させます。
4小節単位の繰り返しを持った3部形式風に作られていますが、二つの主題(主調と属調)は、現れるたびに装飾されて変奏され、美しいコーダ(最後)も魅力的です。

一般的には、この曲は通俗的な曲とも言われていますが、万民の心に響く名曲ではないでしょうか。


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2008年01月24日

クラシックの魅力に迫る!『愛情物語』のショパン

環境汚染だの、地球温暖化だの、経済危機だの、年金問題だの…。
世の中、心が暗くなることばかりです。

しかし、その中で思うことは、この素晴らしいクラシック音楽の数々は、きっと、神さまが人類に下された贈り物だということ。

地球の寿命も自分の寿命も、あとどのくらいあるやら知れないけれど、このクラシックの魅力の中に出来る限り浸っていたいもの。

ここでは、クラシックがもっともっと楽しめるように、その魅力に迫ってみたいと思います。

まずは、フレデリック・フランソワ・ショパン。

【作品9 第2番 変ホ長調】

私がこの曲を初めて聴いたのは、1956年の映画『愛情物語』(アメリカ/ジョージ・シドニー監督)。

映画では『トゥ・ラヴ・アゲイン』というタイトルで、この第2番がジャズ風にアレンジされたもの。

『愛情物語』は悲劇の天才ピアニスト、エディ・デューチンの家族と音楽に捧げた一生を感動的に綴った不朽の名作です。
「エディ・デューチン」は、実在の人物で1930−40年代に活躍した、ピアニスト、バンド・リーダーだったそうです。

映画ではタイロン・パワーがエディ・デューチン役を努めています。
ピアノの演奏シーンはとても素晴らしく、心に残るものでした!

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